03

 会期中、よく「どのように取り付けたのか?」と質問された。
多くの人は私が池の中に入り作業をしたと思ったようだ。(海パン一丁だろうか)

実際は始めにどうでもいいロープを両端に渡し、その後スタッフに一方をひっぱてもらい私が池にジッパーを送り込んでいくという方式で設置した。
だから私は水中に入ったわけではない。

しかし、会期中、藻が大量に付着しそれを掃除するためにボートにのってメンテ作業を行った。

池の周りを散歩していた子供が「僕も乗りたい・・」と叫んでいたが、これはアーティストのみの特権である。

作品の取り付けと称して、一般人の癖にこんな風にボートに乗ったり、巨大天井のゴンドラに乗ったり、・・・これが一番楽しい。
時に、これがやりたいがためにこんな変な作品を作っているのではないだろうかと思うことがある。

 作品撤去のときに、偶然「手伝いましょうか?」と声を掛けてくれたスタイルのいい女の子がいた。
私が間髪いれずに「じゃ 池のジッパーを撤去するから水着に着替えてきて」と伝えた。そしたら彼女「北川さんの創作エネルギーの源はそういうところから来るのですね」と軽くかわされてしまった。

創作エネルギーと言われても・・撤去なのにね・・。